2015年3月2日
【β-グルカン】機能性表示商品の登場に期待高まる 整腸、抗疲労などが有力

欧米ではすでに機能表示が認められているβ-グルカン。今春よりいよいよスタートするわが国の機能性表示制度においても、β-グルカンは有力素材として注目を集めている。機能性では、免疫、血糖値上昇抑制、血中コレステロール低下、腸内環境改善、抗疲労など幅広い研究データを保有するが、新制度では血糖値上昇抑制、腸内環境改善、抗疲労を訴求する商品化が有力視される。産業界が期待する免疫訴求に関しては、ガイドラインの発表如何に寄るものとの向きも多く、現時点では免疫訴求を表示した商品の実現は少し先の話になりそうだ。いずれにしても新制度の利用により、消費者への認知拡大は期待されており、実力素材β-グルカンの普及は加速してくと予想される。




■海外では免疫や疾病リスク低減表示も 注目されβ-グルカンの実力
国内におけるβ-グルカンは、キノコの有効成分として主にガン患者へ利用される健康食品というイメージが強かったが、欧米ではパン酵母由来のβ-グルカンが主流で、1960年代初頭から免疫システムに関する多くの有効性データが発表されている。次いで大麦由来のβ-グルカンについても機能性研究が進み、米国では2006年より大麦やオーツ麦、β-グルカンを含む食品に“心臓病の危険性を少なくできる”との限定的疾病リスク低減表示が認められている。また、EFSA(欧州食品安全機関)においても“コレステロール上昇抑制”、“血糖値上昇抑制作用”(大麦β-グルカン)の表示が認められるなど、世界的にβ-グルカンの高い機能性が評価されている。また、米国や韓国では、β-グルカン配合のサプリメントのパッケージに“For daily immune support(日々の免疫をサポート)”の表記がなされるなど、免疫訴求サプリとしても定着している。

一方国内では、(公財)日本健康・栄養食品協会が「食品の機能性評価事業」として、大麦由来、およびパン酵母β-グルカンを対象に機能性を評価。大麦β-グルカンは血中コレステロールの正常化についてヒト介入試験論文が9 報、食後血糖値の上昇抑制作用については同16報、プレバイオティクス効果、満腹感の持続作用でそれぞれ同5報を認め、それぞれB評価(機能性について肯定的な根拠がある。Probable)とし、パン酵母由来β-グルカンでは、自然免疫の活性化について効果ありとするヒト介入試験の論文数は6 報、C評価(機能性について示唆的な根拠がある。Possible)としている。β-グルカンは、海外の表示実績を背景に今春より新たに導入される機能性表示制度へ向けて期待が高まっている素材のひとつとなっている。




■整腸、血糖上昇抑制、抗疲労などが想定 機能性表示食品の登場待たれる
国内の健康食品市場ではまだまだ認知度の低いβ-グルカンだが、業界が期待するのが新たな機能性表示制度。β-グルカンは、海外での機能表示の実績があり、関係各社からも「新制度に期待している」との声が多く聞かれる。実際、原料サプライヤー各社は、「機能表示制度を見据えたメーカーからの問い合わせが急増した」と口々にコメント。β-グルカンが持つ豊富なバックデータを背景に、機能表示制度に参入するメーカーも少なくなさそうだ。

予想される機能性表示の範囲は、「整腸」、「血糖上昇抑制」、「抗疲労」が有力視される。「整腸」と「血糖上昇抑制」については、すでにトクホでも認められているカテゴリーで、新制度においても表示することが可能となっている。注目されるのは、トクホカテゴリーにない訴求点。特に、免疫に関する表示の可否が最大の関心事となっている。消費者庁が手本にした米国制度では、「“免疫機能をサポートする”という表現は、必ずしも疾病強調表示とはみなされない(免疫系は、構造/機能と疾病への抵抗の両方に関与するため)」との解釈がされているが、最終的な表示に関する条件や制限については、「これから発表されるガイドラインを待つしかない」(原料メーカー)というのが現状となっている。一方で、抗疲労に的を絞って新制度を利用する動きも出てきており、パン酵母由来のグルコポリサッカライドの原料供給を行う龍泉堂では、「原料メーカーとして、システマティックレビューのサポートを実施していく」と発表。同社原料を使用した研究では、健常者を対象にした抗疲労に関するデータもあり、新制度に有効としている。

現段階では大麦β-グルカンを配合した商品で「整腸」や「血糖上昇抑制」、パン酵母β-グルカンで「整腸」、「抗疲労」などが機能性表示として記載されるのではとみられる。




■機能性表示と大手の参入で認知拡大へ
2000年に「自然免疫受容体のデクチン-1 の活性化が貪食シナプスの形成によって引き起こされる」という論文が英ネイチャーに掲載されると、“世界で初めてマクロファージの貧食によるメカニズムを解明した”として業界の注目を集めた。以降国内でもβ-グルカンへの関心は徐々に高まりつつあり、商品バリエーションの広がりや、普及活動なども活発になっている。大麦由来、酵母由来ともβ-グルカン素材はハンドリング・使い勝手が良いため、サプリメントだけでなく、菓子やベーカリー製品など一般食品への応用も進んでいる。とはいえ、その主戦場はMLMや医家向けルートをはじめとしたクローズドマーケットが中心。一般消費者への認知度が低い点が課題となっている。一方で明るい兆しも見えてきた。大手による参入だ。昨年、大塚製薬が大麦β-グルカンに着目した新製品『大麦生活』を発売し、プロモーションにも注力。全国のスーパー、DgS、CVSなど5,000店以上で展開しているが、なかでも宅配ルートでの伸びが顕著だという。β-グルカンの有用性が認識されれば、関連商品は格段に増え、一般流通での販路拡大が期待される。欧米に遅れを取っていたβ-グルカンだが、いよいよ国内でもその実力を発揮する時が近づいている。





健康産業新聞1563号(2015.2.4)より一部抜粋
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