2015年2月23日
【乳酸菌・乳酸菌生成物質】白熱する“免疫”プロモーション

免疫の根本を強くする可能性を持つプラズマ乳酸菌…」、「ガセリ菌SP株は免疫を強くする…」など、インフルエンザ流行と同じくして今盛んにテレビコマーシャルで流れているキャッチコピー。関連商品は登場しないため、景品表示法や健康増進法の抵触はないとの見解だが、バイブル本商法を想起するようなプロモーションに拍車がかかっている。その背景には消費者の免疫に対する関心の高さがある。マスコミの力も手伝って、いまや乳酸菌摂取=免疫賦活向上という構図が消費者に定着しつつあり、乳酸菌市場はかつてない活況を呈している。乳酸菌製品を代表するヨーグルトを筆頭に、サプリメントなど関連商品が増加しているほか、殺菌乳酸菌の普及により、加工食品や一般食品への配合も急激に進んでいる。今春よりスタートする新制度においても乳酸菌は有力素材の一つと目されるなど、乳酸菌の話題は事欠かない状況となっている。健康寿命延伸が叫ばれるなか、セルフディフェンス素材として乳酸菌を選択するという基調は今後益々拡大していきそうだ。




■空前のヨーグルトブーム 免疫訴求合戦で認知進む
3,500億円に到達するともいわれるヨーグルト市場。その成長を支えるのが“機能性ヨーグルト”という新たなカテゴリー。明確な定義はないが、共通しているのが各社とも独自菌株をブランド化し、機能性情報を積極的に発信している点。その火付け役ともいうべきが明治の1073R-1菌を配合した『明治ヨーグルトR-1』。山形県舟形町、佐賀県有田町の園児や児童らを対象に行った調査で、風邪やインフルエンザに感染しにくくなったとして、マスコミが報道すると一躍脚光を浴びた。現在この手法は各社が追随しており、インフルエンザが流行する時期に合わせてテレビコマーシャルなどで積極的に研究結果をプロモーションしている。乳酸菌の機能性を早くから発信していたヤクルト本社を筆頭に、乳業メーカーの明治、森永乳業、雪印メグミルク、さらにキリン(小岩井乳業)やグリコなどが加わり、各社が免疫をキーワードに提案を進めている。拡大を続けるヨーグルト市場は、2020年には売上規模が4,000億円を突破するとの見方も出ており、過去にない活況を呈している。




■機能性表示制度にも大きな期待 免疫に関する記述に関心
今春よりスタートする機能性表示制度。消費者ニーズの高まりを受けて、産業界では新制度利用の機運が高まっている。トクホで実績のある“整腸”に関する表示は新制度でも関連商品の登場が予想されているが、やはり関心は“免疫”に関する表示だ。新制度は、トクホにはないカテゴリーの機能性表示が可能として、“免疫”は期待される表示のひとつ。消費者庁では、免疫の表示について明快な指針は出しておらず、詳細はガイドラインに頼ることになりそうだが、先日発表された「機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要」には免疫に係わる記述も。認められない表現例として、「限られた免疫指標のデータを用いて身体全体の免疫に関する機能があると誤解を招く表現、in vitro試験や動物を用いたin vivo試験で実証された根拠のみに基づいた表現、抗体や補体、免疫系の細胞などが増加するといったin vitro試験やin vivo試験で科学的に実証されているが、生体に作用する機能が不明確な表現等」とした。ひとつのデータを元に体全体の免疫が上がるというような表現はダメと釘を刺す一方、例えば「NK細胞が活性化する」や、「好中球数が増加する」など詳細の表現については可能ともみてとれる。いずれにしても、ガイドラインの発表が待たれるが、仮に限定した免疫表示が可能になったとして、詳細に限定した構造機能表示を進めるか、制度は利用せずすでに消費者に定着した乳酸菌=免疫賦活向上のイメージを選択するかは、企業によって分かれそうだ。




■商品応用のバリエーション広がる 殺菌乳酸菌へのニーズ増
免疫力向上という新たな訴求をきっかけとし、市場拡大に弾みがついた乳酸菌市場。現在、その幅広い機能性と商品応用のバラエティが強みとなり、サプリメントやドリンク、一般食品へと採用が拡大している。機能性ヨーグルトにけん引され、プロバイオティクスが活況をみせるなか、殺菌乳酸菌も急速に市場を拡大している。

殺菌乳酸菌はその名の通り乳酸菌を加熱殺菌処理して加工したもので、乳酸菌死菌体ともいう。乳酸菌を殺菌処理することで、菌の品質が一定になり、安定した原料として扱えるほか、製造面でもコンタミのリスクは生菌に比べ圧倒的に低いというメリットがある。何より、殺菌乳酸菌の一番の強みとなるが、グラム中の乳酸菌数が圧倒的に多いこと。生菌では、平均して1 mg中に10億個程度の乳酸菌が存在するが、殺菌乳酸菌では、1 mg中に500億個の乳酸菌が存在する。乳酸菌研究の祖とされるメチニコフのヨーグルトの長寿説では、ブルガリア地方やコーカサス地方などの健康長寿の村では、1 日あたり500mL~1,000mLのヨーグルトを毎日摂取していたといい、乳酸菌の菌数に換算すると約1 兆個を毎日摂取している計算となる。現代においてヨーグルトを1,000ml摂取することは簡単ではないが、殺菌乳酸菌では、0.2gの摂取で1 兆個の乳酸菌の摂取が可能となる。現在、殺菌乳酸菌を配合したサプリメントや一般食品の製品が増加しているのは、こうした菌数を多く摂取できる優位性が評価されているためだ。そのため、森永乳業が昨年殺菌乳酸菌原料を上市したことに代表されるように、これまで生菌しか扱わなかった原料メーカーも、殺菌乳酸菌をラインアップに加えるなど、ニーズに応じた供給体制を整えている。




■乳酸菌生産物質にも脚光の期待 販路拡大で認知拡大を狙う
日々の健康管理に乳酸菌摂取の必要性が重要視されるなか、乳酸菌生産物質の機能性の高さについても注目が集まりつつある。

乳酸菌生産物質は、人間の腸内細菌中の善玉菌が毎日作り出している物質を指し、主にビフィズス菌や乳酸菌等によって作られている。乳酸菌生産物質は乳酸菌代謝産物とも、乳酸菌生成エキスとも言われ、腸内細菌のバランスを正常に保持し免疫等に関与して、ヒトの健康を維持するために重要な成分として徐々に認知が広がっている。

乳酸菌生産物質の主要メーカーでは、それぞれがオリジナルの製法によって乳酸菌生産物質を製造する。また、機能性研究も積極的に進めており、光英科学研究所では、メタボローム解析により352種の発酵代謝物を確認し、ヒト臨床試験で肌状態の改善作用など新知見も得ている。ビー・アンドエス・コーポレーションでは、これまで類をみなかった大腸ポリープの縮小・消失作用を確認するなど、エビデンスの蓄積が着実に行われている。これまで、乳酸菌生産物質のサプリメントはMLMなどの限定的なクローズドマーケットでの展開がメインだったが、乳酸菌や免疫賦活をテーマにした需要の高まりを受け、店頭や通信販売など一般流通での取扱いも増加傾向になるのではと大きな期待が高まっている。





健康産業新聞1563号(2015.2.4)より一部抜粋
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