2015年2月13日
【ココナッツオイル】15年ブレーク商材、大手も続々

ココナッツオイル市場が極めて活発だ。従来の美容・ダイエット訴求に加え、脳機能サポートを中心としたエイジングケアに有効な機能性素材として認知が進み、昨年は一気に売上を伸ばした。ハリウッド俳優やモデルが愛用していることからメディアへの露出も活発化し、昨年以降、50点以上の関連書籍が出版され、テレビでは連日のように特集が組まれている。トクホの関与成分である「中鎖脂肪酸」を豊富に含むという科学的な裏付けもあり、一過性の勢いには止まりそうにない。卸各社が今年のブレーク商品に挙げるココナッツオイル関連商品の市場動向と今後の行方を探った。




■「美容・ダイエット」と「脳サポート」で巨大市場つかむ
「まさかこんなにココナッツオイルの知名度が上がるとは」。2008年ごろからココナッツオイルを取り扱うある企業の担当者は驚きを隠さない。「ココナッツオイルブーム元年」となった2014年、各社の業績は予想以上に好調に推移した。通販、食系・薬系店舗ルートを中心に、売上を10倍近くに伸ばした企業もあるといい、各社は「これからも伸びる」と強気の提案と新商品の開発を進めている。ある大手卸の担当者も「間違いなく今年のブレーク商材」と太鼓判を押す。

ブームの要因は、「美容・ダイエット」と「脳サポート」という巨大市場の狙い打ちに成功したことだ。トランス脂肪酸フリーの健康・美容オイルを求める20~40歳代の層と、脳のエイジングケアを目的としたそれ以上の世代の層を見事に取り込んだ。特に脳サポート訴求では、順天堂大学の白澤卓二教授が「ココナッツオイルの摂取でアルツハイマー病が改善した」とする米国医師の研究結果を多数のメディアに紹介したことで、一気に火が付いた。あるメーカーの担当者は「以前は美容訴求が中心だったが、今は圧倒的に脳サポート訴求だ」と話す。健康食品だけでなく、最近はバターの品薄と値上がりもあり、ココナッツオイルで代用するケースも増えているという。その他、製パン・菓子など加工食品に使われるオイルの代用や飲食店での炒め物など、幅広い用途への提案が進んでいる。ブームとなると、懸念されるのが原料不足だ。主な生産国はフィリピン、インドネシアで、この2 ヵ国で7 割ほどを占める。ここ数年、タイ産やスリランカ産などの取り扱いも増えているという。「東南アジアからの原料供給は2 ~ 3 ヵ月待ち。今後、北米や中国でも引き合いが予想される。『奪い合い』になるかもしれません」と予想する企業もある。

好況の波に乗り続けるには、安定供給体制の整備が欠かせない。国内サプライヤーはキャナやフードアルティメイトネットワーク、フォレストガーデンジャパンなど。原料価格は、その品質や流通経路によってかなり差があるが、およそキロ当たり約1,000~3,000円とみられる。そのため、商品価格も500g換算で約1,500~2,500円と幅がある。ただ、円安傾向の進展如何では値上げが検討される。




■トクホ関与成分「中鎖脂肪酸」で広がる可能性
ココナッツオイルは総じて果肉を圧搾して作られる。溶剤を使って精製したものもあるが、最高級品は主に低温圧搾した上で発酵分離か遠心分離をかけて作られる「エキストラバージンココナッツオイル」だ。最近は各社が差別化に注力しており、「非加熱圧搾」や「遠心分離にかけない抽出」を売り物にしている企業もある。

ココナッツオイルは、「体に脂肪が付きにくい」機能が認められ、トクホの関与成分にもなっている「中鎖脂肪酸」を豊富に含む。臨床研究では抗肥満効果、血糖値上昇抑制効果、脳卒中後の延命効果、抗ウイルス作用などが報告されている。また、ブドウ体の代わりの栄養分としてケトン体の利用を促すため、先に挙げたアルツハイマー型認知症予防・進行抑制の可能性も示唆されている。今後の市場の成長・熟成にはヒト試験によるエビデンスの蓄積がポイントになる。
末端市場ではココナッツオイルのほか、ココナッツウォーターやファイバーなどを利用した派生商品がにぎわいを見せ、大手も参入している。特に、マグネシウムやカリウムなどのミネラルを豊富に含むココナッツウォーターが盛況で、ビタココジャパンに続き、日本コカ・コーラ、森永乳業、カゴメ、キリン・トロピカーナなどが商品を投入している。その他、低GIでミネラル豊富なココナッツシュガー、果肉から抽出したココナッツファイバーなどが流通し、カプセル状のサプリメントも登場した。リップクリームや石鹸、ヘアケア商品なども増加傾向にある。

高級スーパーの成城石井(横浜市)は昨夏、ココナッツのクリーミーな味わいを生かしたオリジナル商品「ココナッツジャム」を発売すると、限定24,000個が瞬く間に売り切れたという。同社のココナッツオイルの売り上げは前年比で約16倍になり、関連商品全体を見ても約2 倍に増え、同社は「トレンド商品」と位置づける。「ココナッツの季節」は、まだまだ続きそうだ。





健康産業新聞1561号(2015.1.21)より一部抜粋
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