2015年1月20日
【健食訪販・MLM市場】 前年比2.2%減 約4,500億円

2014年の無店舗流通の市場規模は通信販売、訪問販売、その他のルートを合わせ、8,950億円(前年比3.8%減)になった。通販ルートでは通販協会員企業を中心に過去最大の下げ幅に。MLMなど通販以外の無店舗販売については減少したものの、健康食品に関してはおおよそ下げ止まりを示す結果となった。


■MLMの健食販売は2%減に

本紙推定による2014年の通販以外のダイレクトセリングの健康食品売上高は、前年比2.2%減の4,500億円となった。消費税の増税により今年前半は前年を上回った企業が多かった半面、4月以降の反動が影響。その一方、引き続き販売員の高齢化が課題になっており、組織の若返りを目指す動きも目立ち始めた。比較的若い層のリーダーを育成することにより、愛用者会員を含む新規増加につなげるという試みも見受けられている。

訪販・MLMルートにおける健康食品の売り上げは、3,660億円(前期比2%減)。(公社)日本訪問販売協会の調査によると13年度(13年4~14年3月)の訪販売上高(速報値)は、1兆7,770億円(前期比1.7%増)と17年ぶりに回復。反面、健康食品の売上高に関しては会員企業分で前期比2.5%減と7年連続の落ち込みをみせた。化粧品は会員企業分で0.9%増と、9年ぶりに落ち込みに歯止め。日本訪問販売協会では、「全体的には明るい兆しがみえたが、今回の統計では駆け込み需要が大きく影響していると思われる。高額商品である住宅リフォームと家具・インテリアなどの前倒し需要が特に全体の数字を押し上げる結果になったが、健康食品の立ち直りが遅れているのは改正景品表示法の議論が報じられたことにより事業者が販売面で萎縮したことが理由ではなかろうか。特商法改正前も、一時的に市場は緊張した。ただ落ち込み幅は縮小しており、15年は増転すると見込んでいる」と分析する。

改正景品表示法が昨年12月に施行されたことにより、不当表示に対する行政の監視指導体制が強化されることになった。広告やカタログ、チラシなどの印刷物だけでなく、口頭で商品説明、セールストークにいたるまでが対象になり、違反者には課徴金の納付が命じられる。ダイレクトセリング企業各社とも、さらなるコンプライアンスの順守を迫られることになった。これにより現状では積極的な営業活動がしにくいことから、業界の成長期と比べると堅実路線を実践している企業が少なくないことも成長率鈍化の一因となっている。

MLM企業は、世界的にみても愛用者会員の獲得に目を向け始めている。昨年11月にブラジルで開かれたWFDSA(訪問販売協会世界連盟)のワールドコングレスでも、新規獲得のためのセミナータイトルが目立った。なかでもこれまで以上にSNSの活用に関する内容が多かったという。一部のダイレクトセリング企業では「商品のよさを感じているが、ビジネスはしたくない」というショッピングのみの愛用者会員向けに、新たにネット通販などを拡充しはじめている。しかしながら、通販はもっとも競合企業が多い分野で、価格競争もし烈。現段階では同分野で安定した売上を残せているMLM企業は多くない。当面はブランディングの一環として通販事業を展開するMLM企業が増えるものと思われる。ダイレクトセリング業界におけるオムニチャネル化は今後も進むことが予測される。

ダイレクトセリング業界における今後の焦点となるのは、特別商取引法や消費者契約法の見直しだ。一旦は立ち消えた訪問販売における不招請勧誘の禁止に関する議論が、再燃する可能性も出てきた。ダイレクトセリング業界関係者は「特定商取引法に関しては、改定すべき点はある程度、手をつけられたと考えている。そのため、最終的には不招請勧誘の禁止についての議論が巻き起こるのではないかと懸念を示している。消費者契約法もダイレクトセリングで健康食品に関する消費者相談は減少傾向にあるものの、高齢者の解約トラブルがいまだ問題視されている。夏場までには何かしらの動きがあるように思える」と見通しを述べる。ニューウエイズジャパンの13年の売上高は7%程度の減少の167億3,100万円。14 年はメンズケアの『トゥルースタイル(TRUESTYLE)』やスキンケアの『トライクア(triqua)』といったブランドが順調に滑り出している。

三基商事の売上高は前年並みの約720億円(本紙推計)。2月に投入した『ミキプルーンエキストラクトスティック』が好調。携帯性のよさが幅広いユーザーに受けた。また営業所への昇格基準を変更。組織の活性化をはかっている。

日本アムウェイは2013年の売上高は969億6,800万円(前期比3.4%増)となった。うち栄養補給食品は419億8,800万円。構成比は4割強を維持している。4月から実施の機能性表示制度への取り組みも意欲的だ。そのほかフォーデイズが388億3,500万円(前期比2.9%増)、ニュースキンジャパンがほぼ横ばいの400億4,400万円、ナチュラリープラスが203億6,000万円(同1.5%増)、ジャパンライフが200億円(同4%)などとなっている。


■増税の反動を受けた企業も (配置薬販売)

配置薬販売ルートにおける14年の健康食品の売上高は3%減の470億円。市場が縮小傾向にある配置薬販売の中で健康食品の売り上げは占有率を高めている。配置薬販売は年々減少し、現在は医薬品ドリンク剤などを含め800億円程度とみられている。

健康食品の売れ筋は青汁、酵素、グルコサミンなどで他のルートとの大きな違いはない。消費税増税を理由に配置薬販売も前年を割った企業が多かったほか、健康食品や雑貨類なども少なからず影響を受けた。中京医薬品の第2四半期の売上高は前年同期比11.3%減の28億3,900万円。健康食品を含む保健品の販売は増税の反動の影響を受け、13%程度減少した。


■既存客フォローに注力 (その他の無店舗販売)

宣伝講習販売は2%減の370億円。移動店舗出店による新規顧客の獲得が困難になっているため、固定店舗による既存客のフォローに重きをおく企業が少なくない。既存顧客が占める割合は8割以上だ。全国直販流通協会では「機能性表示制度に関しても取扱い商品が幅広く講習により訪問客に健康情報を提供する宣伝講習販売はよい影響を受けやすいのでは」と話す。

健康食品は免疫系や抗メタボ、ひざ関節関連などが中心。生鮮食品の販売も少なくないことから付加価値のある商品の販売面でも有利に働きそうだ。


健康産業新聞1559号(2015.01.07)より一部抜粋
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