2015年1月19日
【健食通販市場】 増税影響長引き売上5%減、4450億円

2014年の無店舗流通の市場規模は通信販売、訪問販売、その他のルートを合わせ、8,950億円(前年比3.8%減)になった。通販ルートでは通販協会員企業を中心に過去最大の下げ幅に。MLMなど通販以外の無店舗販売については減少したものの、健康食品に関してはおおよそ下げ止まりを示す結果となった。


2014年の健食通販市場は、本紙調査の結果、前年比5%減の4,450億円となった。JADMA(公益社団法人日本通信販売協会)が定点観測している月次調査でも1 月から10月の累計は前年同月比で-5.8%減となり、過去最高の下げ幅となった。JADMA非会員でも売上減少企業が目立った。通販市場売上マイナスの大きな要因となったのが4月に行われた消費増税。3 月には駆け込み需要があり、昨年同月比でプラスになったものの、その後はマイナスに歯止めがかからず10月時点でも回復傾向は見られなかった。

通販メーカー各社への聞き取りでは、「増税後の消費停滞はある程度予測していたが、回復を予想していた7月以降も振るわなかった。消費に対する価値観が変わったように感じる」といった意見や、「チャネルの多様化により、通販の顧客が店舗購入へ流れたのかも」と分析する。また、広告表示の規制強化も売上減の要因として挙げられる。悪質業者による誇大広告の取り締まりをきっかけに行政指導も強化しており、「消費者へ商品を訴求することが難しい」、「改正景表法の罰則が厳しくなるので、ますます広告には気を遣う」(通販メーカー)といった意見が聞かれた。先日都が発表した都政モニターアンケート調査でも、消費者の健康食品に対するイメージは10年前実施時と比較しても悪化している。


■主要大手が苦戦も新規参入は活発

通販主要メーカー各社が売上を落とす結果となった2014年。通販市場をけん引するDHCやファンケルは昨年対比で7%前後の売上減、九州通販メーカー各社も、キューサイ、はぴねすくらぶなどが売上減となった。

売上数百億円規模の主要メーカーが苦戦するなか、売上十数億~百億前後の企業では増加のケースも。『ラクトフェリン』サプリメントを中心とするライオン特販事業部では100億円を突破しプラスに転じたほか、『ユベラ贅沢ポリフェノール』を販売するエーザイでは、新商品『ユベラ乳酸菌BLC1&AHCC』を投入するなど積極的な動きが目立ち、2ケタ伸長で推移している。また、新規参入などプラス要素も。健康食品と親和性の高い通販ルートは引き続き新規参入が目立ち、今後も活発化が予想される。医薬品メーカーの武田薬品工業は、ユーグレナ社と包括的な提携契約を締結し、共同プロジェクト商品第1 弾となる健康補助食品『タケダのユーグレナ 緑の習慣』を上市。健康食品市場に本格参入した。3 年で5億円の販売目標だが、今後他の健康食品についても開発販売していくという。

通販チャネル全般で売上の停滞が目立つなか、売上を伸ばす企業に特徴も。好調な企業に共通していえるのが、「看板商品」を持っていること。看板商品にはリピート顧客がつき、安定して売上を伸ばしている。ファンケルは今年『大人のカロリミット』を販売し、栄養補助食品全般で苦戦するなか、同品だけは好調な売上をみせた。同社広報は、「大人のカロリミットがスター商品になったことで、売上の柱のひとつなった。これに次ぐ商品開発やプロモーションに注力したい」とコメント。同様に別の通販関係者は、「ベースサプリや流行りの健康食品がただ漠然と売れる時代から、機能性訴求や対象となる消費者をより明確に意識したこだわりの商品設計が求められる時代」と分析する。健康食品業界では、機能性表示制度のスタートを控え一歩踏み込んだ機能性訴求が可能になる。各社の看板商品をいかに作り出せるかが各通販メーカーの売上増加の大きなカギになりそうだ。

■機能性表示制度に期待

売上の巻き返しに向け、今年よりスタートする機能性表示制度に各社が期待する。特に、これまで間接的広告表現や、インフォーマシャルなどの手法によって売上を伸ばしてきた企業からは「現在の手法では、一定までの売上は望めるが限界がある」、「機能性表示ができれば、消費者にシンプルに訴求点を伝えられる」といった意見のほか、「エビデンスのある素材にこだわって製品開発を進めてきたが、制度が活用できればこまでの取り組みが実を結ぶ」などのコメントが聞かれた。また、「新制度により店販ルートでの売上が増化すると予想されているが、通販でも売上を伸ばせる余地は充分にある」といった力強いコメントも。機能性表示制度解禁を控え、引き続き健康食品の主流販売ルートになり得るか、今年の動向に注目が集まる。


健康産業新聞1559号(2015.01.07)より一部抜粋
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