2015年1月19日
茶系飲料が脚光、トクホ市場6,350億円(前年比4%増)

2014年のトクホ市場は、前年比4%増の6,350億円となった。市場底上げに寄与したのがトクホ飲料。なかでも茶系飲料が脚光を浴びた。『伊右衛門特茶』(サントリー食品インターナショナル)は年間1,000万ケースを越える大ヒットに。2つのヘルスクレームが謳える“Wトクホ茶”も話題を呼ぶなど、トクホ飲料は市場全体の約3割を占めるまでに拡大したとみられる。このほか、そばやパンなど食品形態のトクホも登場したほか、資生堂などが申請する乾燥肌対応トクホの誕生も近づいている。また、今春に「機能性表示食品」制度がスタートするなか、国のお墨付きであるトクホは再び注目されそうだ。行政サイドでは、トクホの許可申請手続きを合理化・迅速化するための環境整備を進めるなか、昨年10月に改正通知を出した。

■待たれる美容トクホの誕生

現在のトクホ総許可件数は、1,141品目(昨年12月15日時点)。昨年1年間の許可件数は前年に比べ6品目少ない60品目だった。コストが比較的に抑えられる再許可等トクホが24品目だったほか、規格基準型トクホも大幅に増え26品目となった。許可された中の関与成分をみると難消

化性デキストリンが一番多かった。難消化性デキストリンは、規格基準型トクホで、表示できる保健の用途が「おなかの調子を整えます」「食後の血糖が気になる方に適しています」と2つあり利用が拡大している。このほか、許可された関与成分は茶カテキン、キトサン、ビタミンK2、カルシウム、DHA・EPA、サーデンペプチド、コーヒー豆マンノオリゴ糖など。新規ヘルスクレームでは、資生堂が申請している「肌が乾燥しがちな方に適する」旨を保健の用途とする清涼飲料水『素肌ウォーター』などがある。関与成分はコンニャク芋由来のグルコシルセラミド。食品安全委員会は昨年、「安全性に問題ない」と消費者庁に通知しており、乾燥肌対応トクホの実現に向けて一歩前進。ポーラ化成工業もグルコシルセラミドを関与成分とした粉末顆粒食品で申請しており、今後の動向が注目される。

一方、トクホの許可申請手続きの合理化・迅速化などに向けた作業を進めてきた消費者庁は、昨年10月に改正通知を出した。例えば、有効性については、「コレステロール」「中長期的血中中性脂肪」「血圧」「食後の血中中性脂肪の上昇」「食後の血糖上昇」「体脂肪」「整腸」関係の7 項目について、試験方法や評価指標、摂取期間、対象被験者などを明確にした。

改正通知により申請後の試験の追加などが減少することが見込まれ、申請者の費用負担の軽減や審査期間の短縮が期待される。

(公財)日本健康・栄養食品協会は改正通知を受け、「Q&A的なガイドラインの作成を進めていく」という。また昨年12月に「第2回特定保健用食品広告審査会」の審査結果を発表。149件の広告について審査した結果、「問題なし」は126件で85%だった。健康増進法やトクホ広告自主基準などに著しく抵触する「A判定」は2件。いずれも新聞広告で中性脂肪に関する許可表示を逸脱していた。


■『伊右衛門特茶』、1,000万ケース超 Wトクホも人気に


市場全体をみると昨年もトクホ飲料が活況を呈した。ここ数年、話題を集めた炭酸トクホやコーヒートクホにかわり2014年は茶系トクホが人気に。その代表格が『伊右衛門 特茶』(サントリー食品インターナショナル)。昨年8月までの販売数量は1,000万ケースを突破するなど、同社・トクホ製品の中で過去最速のペースとなった。同品は脂肪分解酵素を活性化させるケルセチン配糖体を配合、“体脂肪を減らす”トクホ緑茶として訴求する。健康機能や伊右衛門ブランドの高さに加え、お茶の苦みをなくして美味しくしたことなどが利用者に支持された。

昨春に販売された『アサヒ 食事と一緒に 一六茶W』(アサヒ飲料)も好調だった。同品は、食後の糖の吸収と血中中性脂肪の上昇を穏やかにするWトクホ茶。1回の摂取目安量250mLがわかるよう、ペットボトルの側面に目盛りを付けるなど工夫を凝らした。9月に当初目標売上の100万ケースを達成。11月末時点で165万ケースを超えた。Wトクホ茶では、『からだすこやか茶W』(日本コカ・コーラ)も躍進。“おいしいものは脂肪と糖でできている”というキャッチフレーズのもとCM広告などを展開。「女性の利用者も目立つ」と手応えをみせる。差別化という点では、伊藤園が「充実野菜」ブランドから『充実野菜 ベジタブル&ファイバー』(400mL入)を投入。“お腹の調子を整える”野菜飲料トクホとしてブランド化を目指す。

トクホ飲料は製品ラッシュが続く一方、競争も激化。各社からは「健康機能を今まで以上にわかりやすく伝えることが重要」「継続が重要、飲みやすさは外せない」「健康機能だけでは簡単に売れない。どのタイミングでトクホを飲むと効果的なのか、飲用シーンなどを発信していきたい」といった声が聞かれた。

このほか、乳酸菌関連製品ではヤクルト本社、明治、森永乳業、雪印メグミルクなどが展開。ヤクルト本社は主力の「ヤクルト400」シリーズが堅調に推移した。ヨーグルトトクホは、競合品が増えたことや、ドリンクヨーグルトの台頭もあり、販売量は前年を下回ったところもみられた。

新たな動きでは、小売業のローソンが昨年10月から血糖値対応のトクホ食品『食物繊維入りそば』(関与成分:難消化デキストリン)『特食パン2枚入』(関与成分:難消化性再結晶アミロース)などの販売に乗り出した。「そばは、需要期の夏場を過ぎた後の発売だったが、好調な滑り出しだった。指名買いが出始めている」という。“マチの健康ステーション”実現を目指す同社では、健康志向の商品開発・販売の拡充を進めていく。

今春スタートする「機能性表示食品」制度については、各社からは「新制度により、“食品が機能を持つ”という事実が広く知られるようになり、トクホ市場も活気づく」「国のお墨付きであるトクホの優位性がますます武器になる」「トクホも新しい表示内容を増やして欲しい」などさまざまな意見が聞かれた。


健康産業新聞1559号(2015.01.07)より一部抜粋
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