2014年11月4日
【乳酸菌・乳酸菌生産物質】免疫、抗アレルギー、美肌など機能性表示制度利用に期待感

「インフルエンザや風邪対策に有効」としてヨーグルトなどの発酵乳が注目され、いまや日常的に摂取する健康食品として定着した乳酸菌。免疫力向上素材としての訴求が奏功し、認知も一気に広がった。乳酸菌の代名詞ともいえる整腸作用に加え、免疫力向上という新たな訴求をきっかけとし、市場拡大に弾みがついた格好だ。現在、その幅広い機能性と商品応用のバラエティが強みとなり、サプリメントやドリンク、一般食品へと採用が拡大している。来年より新たに導入される機能性表示制度をにらみ、多岐にわたるエビデンスが蓄積されている乳酸菌・乳酸菌生産物質への関心も高い。新規参入や研究開発も活発化してきており、乳酸菌・乳酸菌生産物質の一層の市場拡大が見込まれる。




■盛り上がるプロバイオティクス市場 各社独自菌株で差別化
3,500億円を超えたといわれるヨーグルト市場。一部ヨーグルトも含めた「整腸関連」のトクホ市場も2,700億近くあるとされ、プロバイオティクスを中心に乳酸菌マーケットが着実に拡大を遂げている。

その原動となったのは、乳酸菌による免疫力向上といったキーワード。近年メディアでの紹介が相次ぎ、こどもからシニア層まで、ヨーグルトを中心とした乳酸菌関連の製品が愛用されている。“機能性ヨーグルト”という新たなカテゴリーを創出し売上を伸ばす乳業メーカー各社では、自社の独自菌株をアピールし差別化を図る。森永のBB536、明治のR-1・LG、協同乳業のLKM512、グリコ乳業のBifiXなど。それぞれ菌の特長と構築してきたエビデンスを発信することでブランド化を図っている。ヨーグルト市場は拡大を続けており、2020年には売上規模が4,000億円に達するとの見方も出ている。

国内同様、海外の機能性食品市場においてもプロバイオティクスが脚光を浴びはじめている。世界規模でのプロバイオティクス市場は、2010年に216億ドルに達し、2015年には市場規模300億ドルを達成すると予想されている。世界一エビデンスの多いビフィズス菌として有名な『BB12TM』を供給するクリスチャンハンセン(本社デンマーク)では、昨年より本格的に国内市場に参入。豊富な機能性データと海外での実績を武器に国内シェアを着実に伸ばしている。




■商品応用のバリエーション広がる 製品化の手軽さから注目される殺菌乳酸菌
プロバイオティクスが活況をみせるなか、殺菌乳酸菌(バイオジェニックス)も急速に市場を拡大している。殺菌乳酸菌はその名の通り乳酸菌を加熱殺菌処理して加工したもので、乳酸菌死菌体ともいう。乳酸菌を殺菌処理することで、菌の品質が一定になり、安定した原料として扱えるほか、製造面でもコンタミのリスクは生菌に比べ圧倒的に低いというメリットがある。そのため、パンやお菓子、麺類などをはじめ、あらゆる一般食品への応用が可能で、商品バリエーションが豊富に展開できる良さがある。何より、殺菌乳酸菌の一番の強みとなるが、グラム中の乳酸菌数が圧倒的に多いこと。生菌では、平均して1 mg中に10億個の乳酸菌が存在するが、殺菌乳酸菌(死菌)では、1 mg中に500億個の乳酸菌が存在する。

乳酸菌研究の祖メチニコフが提唱したヨーグルト長寿説では、ブルガリア地方やコーカサス地方などの健康長寿の村で、1 日あたり500mL~1,000mLのヨーグルトを毎日摂取していたといい、乳酸菌の菌数に換算すると約1 兆個を毎日摂取している計算となる。現代においてヨーグルトを1,000mL摂取することは簡単ではないが、殺菌乳酸菌では、0.2 gの摂取で1 兆個の乳酸菌の摂取が可能となる。現在、殺菌乳酸菌を配合したサプリメントや一般食品の製品が増加しているのは、こうした菌数を多く摂取できる優位性が評価されているため。また、原料メーカーを中心に多くの機能性研究を進めており、エビデンスが構築されたことも殺菌乳酸菌市場拡大を後押ししている。サプライヤーでは、コンビ、ブロマ研究所、インターナショナルホームメディカルなどが積極的に提案を進めている。




■乳酸菌生産物質にも脚光の期待 認知拡大に向け各社アピール
日々の健康管理に乳酸菌摂取の必要性が重要視されるなか、乳酸菌生産物質の機能性の高さについても注目が集まりつつある。乳酸菌生産物質は、人間の腸内細菌中の善玉菌が毎日作り出している物質を指し、主にビフィズス菌や乳酸菌等によって作られている。乳酸菌生産物質は「乳酸菌代謝産物」とも言われ、腸内細菌のバランスを正常に保持し免疫等に関与して、ヒトの健康を維持するために重要な成分として徐々に認知が広がっている。

乳酸菌生産物質の主要メーカーでは、それぞれがオリジナルの製法によって乳酸菌生産物質を製造する。また、機能性研究も積極的に進めており、バイオジェノミクスでは、乳酸菌生産物質によるがん細胞増殖抑制、脂質代謝改善、便通改善、骨粗鬆症への影響について検討を進めているほか、光英科学研究所ではヒト臨床試験で肌状態の改善作用で新知見も。ビー・アンドエス・コーポレーションでは、大腸ポリープの縮小・消失作用を確認するなど、自社素材をアピールしている。

これまで、乳酸菌生産物質のサプリメントはMLMなどの限定的なクローズドマーケットが主戦場だったが、こうした需要の高まりと認知向上を背景に、店頭や通信販売など一般流通での取扱いも増加傾向になるのではと大きな期待が高まっている。





健康産業新聞1548号(2014.10.1)より一部抜粋
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