2014年10月31日
注目の人参素材 「冷え対策」「美容」で女性層に照準

滋養強壮や疲労回復など、古来よりその機能性が高い評価を得てきた人参素材。高麗人参をはじめ、田七人参、アメリカ人参のほか、近年では“砂漠の人参”と呼ばれるカンカなども注目を集めている。これまでは、その機能性に伴う認知度や安全性、信頼感などから中高年層を中心に安定した市場を形成していたが、近年では、血流改善やアンチエイジング効果から美容関連商品にも配合されるなど、裾野が広がっている。また、高麗人参における発酵製法もトレンドになりつつあるようだ。そこで、注目の人参素材として、最新の市場動向を追ってみた。




■200億円市場に拡大の兆し 新制度への期待も
滋養強壮・疲労回復対応の代表素材として、中高年男性をメインターゲットに市場を構築する高麗人参。「体感性」「認知度」の高さが評価され、末端ベースで200億円超の安定市場を形成している。一方で、「冷え対策」「美容」を訴求ポイントに、日本製粉、生活総合サービス(ていねい通販)などの女性層開拓が結実。さらに、本場韓国では、健康機能食品(日本のトクホに相当)として、滋養強壮・免疫力増進・元気回復―― などの表示が認められていることから、韓国でのデータをもとに来春から日本で導入される「機能性表示食品」としての製品化を検討する動きもあり、市場拡大に拍車が掛かりそうだ。

市場では、ドリンク、錠剤、エキス、カプセル、茶製品が牽引。素材自体の認知度はもとより、滋養強壮・疲労回復・血流改善を中心とした機能性がエンドユーザーに浸透していることから、多くの通販メーカーが定番商品としてラインアップしている。近年では、血流改善作用を介した高麗人参の機能性に着目した商品開発も進展。美容サプリメントはもとより、アスリート向けのスポーツサプリメントから化粧品、石鹸まで、商品形態の裾野が拡大している。

高麗人参は加工法により、「水参」「白参」「紅参」などに分類される。「水参」は収穫後、加工していない状態のもので、「生参」とも呼ばれる。「白参」は、主に4 ~ 5 年根の水参を原材料に、表皮を剥ぐか、そのまま乾燥させたもの。「紅参」は、一般的に6 年根の水参を厳選して、皮を剥かない状態で蒸したもので、10年以上の長期保管が可能。なお、6 年根は人参のなかで、総サポニン数(37種)が多いことが知られている。主に健康食品に用いられているのは、高麗人参の根部分と果実・蕾部分。韓国では紅参の方が多く流通しているが、日本では白参の需要の方が多い。漢方系サプライヤーによると、「味がマイルドという理由から、日本では、滋養強壮系のドリンク剤では白参の需要が多い」としている。ただ、サポニン含有量を高めた発酵紅参への評価も高まっており、近々にも健食通販大手が市場参入するという情報も。発酵紅参に関しては、多くの原料サプライヤーが取り扱いを始めるなど、トレンドになりつつある。深刻化しているのは原料の高騰。背景には、「投機」「天候不良」「為替」「世界的な需要増」がある。各社では、「現地法人設立」「契約農家の拡充」「独自の原料調達ルートの確立」などの対策を講じ、価格と供給の安定を図り、需要に応えていく。また近年では、高麗人参の根部分だけでなく、果実部分の“ジンセンベリー”にも注目が集まっており、ジンセンベリーを原料とした製品開発などの提案も進んでいる。




■人参素材の用途広がる 田七人参、カンカ、アメリカ人参
ウコギ科ニンジン属の田七人参は、古来中国では、金にも代えがたいほど貴重という意味から「金不換(きんふかん)」という別名をもつ。主な産地は中国・雲南省文山・硯山地方で、全世界の生産量の80%以上がこの地域で栽培されたものと言われている。現在では、肝機能対応、血流改善、冷え対策、代謝改善、メタボリック対策など様々な製品が流通し、錠剤やエキス、顆粒、お茶など形態も多岐に渡る。また、これまでは中高年層への訴求が中心だったが、ダイエットや美容などを訴求ポイントに、女性層や若年層向けの製品も続々登場している。

田七人参は、クローズマーケットを中心に安定した引き合いのある素材。原料の価格高騰が続いているが、主要生産地・中国での栽培地拡大を受け、「来年流通分からは、価格が落ち着くのでは」との見方もある。“砂漠の人参”と呼ばれるカンカも様々な機能性をもつ素材だ。カンカはタクラマカン砂漠に生息する、ハマウツボ科ニクジュヨウ属の寄生植物。すでにアルツハイマーなどの認知症改善や抗疲労、免疫賦活、更年期障害改善、血管拡張作用など多様な機能性が確認されており、様々なユーザー層に訴求可能な素材といえる。実際、2012年には、(株)アートネイチャーが(株)東洋新薬と東京工科大学との共同研究によってカンカエキスにおける育毛活性作用を発見し、同研究データをもとにした製品開発も行っているようだ。アメリカ人参(西洋人参)は米国・ウィスコンシン州を主な産地とし、ウィスコンシン・ジンセン協会を通じて世界に輸出されている。強壮・強精系だけでなく、女性層・高齢者層向け製品や、脳機能改善を訴求した打錠・ハードカプセルなどのサプリメント形態が好調だ。多素材とのブレンドや、パンやゼリーなど一般食品形態にも裾野が拡大している。





健康産業新聞1551号(2014.10.22)より一部抜粋
健康産業新聞の定期購読資料のご請求(無料)はこちら

出展資料請求はこちら
ご存知でしたか?助成金を活用した展示会出展について
出展社専用ページへ
ページトップへ戻る