2014年10月30日
花開く「機能性農産物」大麦、柑橘など

今年の「食品開発展」では、上場企業や有力サプライヤー、受託試験企業などが「機能性表示食品」制度に向けた提案を行い、ブースには人だかりができた。記念セミナー、プレゼンセミナーともに、新制度関連の講演は連日の大盛況。しかし同制度をめぐっては、システマティックレビューの商業利用など、不透明な部分も残る。業界の命運を左右するガイドラインの公表が待たれるなかで、出口が明確になってきた「機能性農林水産物」への注目度が急上昇してきた。




本紙10月8 日号1 面で、緑茶や柑橘などの農林水産物が、機能性表示制度で一歩リードしている旨を報じた。紙面で紹介した「機能性食品開発プロジェクト」に携わる農研機構・食品総合研究所の山本(前田)万里氏が、食品開発展の初日に行われた記念セミナーで登壇。研究の現状と展望について語った。

1,600人の研究者が在籍する農研機構では、100人が食品研究に取り組んでおり、うち46人が機能性研究を推進していることを紹介。機能性農産物として、米や大豆、ジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、茶、柑橘などを育成、「関与成分も明らかにしている」ことを説明した。

食品の機能性研究は長年にわたり行われているものの、出口としての「機能性表示」ができないため、人々の健康に寄与する農産物を開発しても、販売面で苦戦するケースも多い。20億円予算に基づく農水省の「機能性食品開発プロジェクト」は、機能性表示食品制度の報告書がまとまる前の13年度から本格始動しているが、ヒト研究で患者を対象外とし、かつU M I N 登録にも対応。研究成果を新制度にそのまま生かすことのできる道が開かれた。サプリメント成分の場合、海外で行われた研究は日本人への外挿性がキーになるが、日本人対象の長期介入試験ならばこの点も問題はない。同氏は、血糖値に対する有効性が期待できる高βグルカン大麦「ビューファイバー」「キラリモチ」、ヒト試験で動脈硬化改善が認められたダッタンソバ新品種「満点きらり」、脂質代謝改善効果を発揮する高βコングリシニン大豆などを紹介。βクリプトキサンチンを含む温州ミカンでは、骨の健康に関する表示が期待できる。機能性表示食品制度では、農林水産物の場合、観察研究を利用できるが、「それだけでは不足」とし、介入試験と合わせた表示を想定している。また、来年1 月からは、機能性農産物を用いた“機能性弁当”を用いた研究を始める予定という。同氏はこれらの機能性農産物を用いた機能性食品によって、「健康寿命を押し上げることができれば」と展望を語った。

続いて、同プロジェクトに参画する日本健康・栄養食品協会技術参与の加藤博氏が、20品目の農林水産物について、2年間で機能性評価を行うことを解説。パブメドなど5 つのデータベースを駆使して文献検索を行い、専門家らで構成する委員会が、A~Eの5 段階で科学的根拠レベルを総合評価する。評価結果はデータベース化する計画だ。国が力を入れる地方活性化や、海外輸出の観点からも、機能性農産物に対する期待はますます高まっている。そしてその研究成果は「機能性表示」を伴い、今まさに結実しようとしている。




健康産業新聞1551号(2014.10.22)より一部抜粋
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