2014年10月6日
β-グルカン特集 免疫、血糖値上昇抑制訴求で製品化すすむ

大麦、パン酵母、黒酵母、キノコ類などに含まれる食物繊維の一種「βグルカン」。免疫、血糖値上昇抑制、血中コレステロール低下、腸内環境改善など幅広い機能性を有し、すでに海外では機能表示が認められている実力素材。国内では、日健栄協が行った機能性評価事業でB評価(血中コレステロールの正常化、食後血糖値の上昇抑制)およびC評価(自然免疫の活性化)を受けるなど、新たに導入される機能性表示制度へ向けて期待が高まっている素材のひとつ。昨年大塚製薬が『大麦生活』を販売し市場に参入したことで、消費者へのβ-グルカン認知度も徐々に広まってきており、今後ますます市場が拡大すると予想される。豊富なバックデータをもとに、免疫を訴求する商品化の動きも出るなど、業界も注目している。




■海外で構造機能表示の実績 免疫訴求市場形成に期待
欧米ではすでにヘルスクレームが認められているβ-グルカン。米国では、冠状動脈心疾患のリスク低減(大麦・オーツ麦βグルカン)、欧州では血中コレステロールの正常化(βグルカンとして)や食後血糖値の上昇抑制(大麦・オーツ麦βグルカン)の表示されている。米国や韓国では、β-グルカン配合のサプリメントのパッケージに“For daily immune support(日々の免疫をサポート)”の表記がなされるなど、免疫訴求サプリとしても定着をしている。国内では、(公財)日本健康・栄養食品協会が機能性評価事業の対象成分に大麦由来、およびパン酵母β-グルカンを対象に機能性を評価。大麦β-グルカンは血中コレステロールの正常化についてヒト介入試験論文が9 報、食後血糖値の上昇抑制作用については同16報、プレバイオティクス効果、満腹感の持続作用でそれぞれ同5報を認め、それぞれB評価(機能性について肯定的な根拠がある。Probable)としている。一方、パン酵母由来β-グルカンでは、自然免疫の活性化について効果ありとするヒト介入試験の論文数は6 報、C評価(機能性について示唆的な根拠がある。Possible)とした。

国内ではまだまだ認知度の低いβ-グルカンだが、業界が期待するのが新たな機能性表示制度。β-グルカンは、海外での機能表示の実績があり、関係各社も「表示の解禁を期待している」との声が多い。実際、原料サプライヤーへの聞き取りでは、「機能表示制度を見据え、メーカーからの問い合わせが最近急増した」、「トクホでは謳えない免疫訴求の商品開発を検討しているようだ」とのコメントが聞かれた。β-グルカンが持つ豊富なバックデータを背景に、機能表示制度に参入するメーカーも少なくなさそうだ。




■機能性充分の実力素材 免疫、抗メタボ、抗疲労などで関心高く
大麦などから抽出されるβ-グルカンは「β-1,3-1,4グルカン」と呼ばれる構造を持ち、パン酵母・黒酵母など酵母類やキノコ類から抽出されるβ-グルカンは「β-1,3-1,6グルカン」と呼ばれる構造を持つ。大麦由来、酵母由来ともβ-グルカン素材はハンドリング・使い勝手がよいため、サプリメント型商品だけでなく、菓子やベーカリー製品などの食品、スキンケアクリームなどの化粧品へ応用されるケースも目立つ。黒酵母β-グルカンやパン酵母由来β-グルカンは水溶性で、かつ高い保湿力を持つなどの特長もあることから、美容製品への提案も進んでいる。機能性研究では、2000年にβ-グルカンを用いた研究で、「自然免疫受容体のデクチン- 1の活性化が貪食シナプスの形成によって引き起こされる」という論文が英ネイチャーに掲載された。これは、世界で初めてマクロファージの貧食によるメカニズムを解明したもので、業界の注目を集めた。国内でも、β-グルカンへの関心の高まりを受けて普及活動が活発になっている。今年1月に埼玉大麦食品普及・食のモデル地域実行協議会が「大麦β-グルカンの健康機能性とその商品化」と題して研修会を開催。研修会では、大麦β-グルカンが水溶性食物繊維を多く含み、満腹感の促進、血中コレステロール低下、心疾患の予防、血糖値上昇抑制などの効用が期待されるなどの発表を行った。こうした研究成果に伴って、β-グルカンの製品化も着実に進んでいる。機能面では免疫とメタボリックシンドロームが主要訴求になっており、機能表示制度の流れを受けて今後この勢いはさらに増していくと予想される。




■認知拡大が課題 大手参入で市場形成に期待かかる
国内では10年以上前からβ-グルカンのサプリメントが流通しているが、その主戦場はMLMや医家向けルートをはじめとしたクローズドマーケット。一般消費者への認知度が低いのが課題となっていた。β-グルカンの認知拡大、市場形成に光が見えたのが大手メーカーの参入だ。昨年、大塚製薬が大麦β-グルカンに着目した新製品『大麦生活』を発売し、プロモーションにも注力。『大麦生活』は大麦クラッカー、大麦ごはん、大麦ポタージュの3 アイテムで全国のスーパー、DgS、CVSなど5,000店以上で展開しているが、なかでも宅配ルートでの伸びが顕著だという。宅配サービスを受ける会員の年齢層は50~60代が中心。手間がかからずに食べられる手軽さが受けて、個食タイプの麦ごはんや、スープが人気となっている。大塚製薬が行った会員へのアンケート調査では、購買理由について「体に良さそう」という漠然としたものや、「β-グルカンが摂取できる」、「セカンドミール効果が期待できる」といった具体的な健康機能を理解して購入しているケースもあったという。健康志向の高まりに加え、一般流通での販路拡大により、β-グルカンへの関心はますます高くなりそうだ。




健康産業新聞1544号(2014.9.3)より一部抜粋
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