2014年1月27日
「健康長寿産業」の振興で〝未病〞ケア市場に追い風

“未病”とは、東洋医学で古くから言われている「健康と病気の間の状態」を言う。医療費や介護保険費の高騰が社会問題化するたび、“治療から予防へ”の重要性が叫ばれ、シフトチェンジに向けた動きは見られたものの、今ひとつスピード感に欠けていたのが現状だ。国民のセルフメディケーション志向の高まりによって、未病ケア商材は年々拡大基調にはあるが、医療機関による統合医療の問題など、一部で遅々として進まない問題を前に、苦言も聞かれていた。こうした中、安倍政権が成長戦略の1つに掲げた「健康長寿産業」の振興を受け、未病ケア商材を含む予防マーケットの拡大が加速するのでは、との期待感が高まっている。




■安倍政権下で、予防市場に注目
「未病」とは、東洋医学で古くから言われている病理概念。病気の具体的な症状が出てくる前段階の「健康と病気の間の状態」を言う。主には「自覚症状はないが検査結果に異常がある状態」と「自覚症状はあるが検査結果に異常がない状態」とを合わせて「未病」と呼ぶ。冷えや倦怠感、食欲不振、コリなど身近な症状の多くが未病状態に該当する。またメタボリックシンドロームは生活習慣病の未病状態、ロコモティブシンドロームも血管障害や認知症などの未病状態といえる。

昨今は医療費や介護保険費の高騰が社会問題化。国も事態を深刻に受け止め、08年4 月にスタートした特定健診制度をはじめ、“治療から予防”への取り組みを進めている。昨年3 月にスタートした国民健康づくり運動「健康日本21(第2 次)」でも、新たに予備軍を含めて4,700万人と言われる「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」予防が明記された。寝たきり高齢者の増加を食い止めるのが目的だ。安倍政権が成長戦略の1 つに掲げる「健康長寿産業の振興」を受け、これら未病ケアを含む予防マーケットが大きな注目を浴び始めている。




■未病ケア商材、2月の統合医療展に集結
未病ケアに有効な商材には、未病を「発見」するものと「予防・改善」するものとに大別される。未病を発見する商材ではヘルスチェック機器類が代表格。体重・体脂肪計、体組成計、血圧計、血糖値計、心電計、骨密度計をはじめ、毛細血管の形状や血流の状態、内臓脂肪の厚さを計測できる装置、睡眠状態を計測できる機器―― など、身体情報をより詳細に計測・把握できる機器類が相次いで登場している。さらに昨今は、これら機器で測定・記録したデータ、歩数計やトレーニング機器での運動データをそれぞれパソコンや携帯電話で一元管理し、そのデータを下に、食事や運動、睡眠など、健康に関するアドバイスや実践をサポートするデータの二次活用が活発化。医療・健康機器や家電、通信を含む大手企業も数多く参入している。なかでも同分野は、スマートフォンが普及したここ1 ~ 2 年で大きく進展。ハード部分では、リストバンドに健康情報を測定する機能を持たせた商材が登場。「ライフログ」として、セルフメディケーション志向の高い一般消費者を中心に浸透し始めている。
一方、未病の予防・改善に有効な商材は、漢方処方などを用いて自然治癒力や免疫力を高めるサプリメントをはじめ、家庭用医療機器類、加温により血行を促進して免疫力や基礎代謝を向上させる温熱・温浴関連商材、血中の酸素量を増加させることで自然治癒力を高める酸素関連商材、運動器周辺の筋肉を鍛え、バランス感覚を養い、関節の可動域を高めるといった機能を持つシューズやインソール、サポータ――など様々な商材が流通している。

来月の「統合医療展2014」でも、トラストレックスが、医療機関や治療院、薬局などの店舗・施設で採用が進んでいる人体健康度測定器『QRM Health Analyzer』の測定デモンストレーションを行う。同品は、1 分間で体内24系統・160項目の健康状態を測定できるという装置。フジカは、温熱ドーム『スマーティ』を出品する。同品は、発汗による老廃物排泄や、血圧低下などの生活習慣病予防、認知症など様々な有用性データを取得、医療機関や治療院、介護施設に普及が進んでいる。プリンシプルは、脳波計測器『BES-2000』を出品、TAANE は、及川胤昭理学博士が研究開発した特許素材「食べるマイナス水素イオン®」関する製品を出品するなど、未病ケアに有効な商材が各種出展される。




■医療機関も“未病ケア”に注目
近年は医療機関の中にも未病ケアに注目するところが増えつつある。冷えやストレスによる不定愁訴、不眠の改善などは特に、未病ケアの領域となるため、西洋医療のみでは解決できないケースが多い。このため、西洋医療で不完全な部分を補完する、東洋医療や伝承医療など代替医療の役割が大きくなる。西洋医療と代替医療を組み合せる「統合医療」の重要性も叫ばれている。各種疾患の早期発見のため、ヘルスチェック機器類はもちろん、治療のサポートとして、サプリメント療法や温熱療法、放射線ホルミシス療法などを導入し、統合医療を実践する医療機関も増加傾向にある。ただ、これまでも治療から予防へのシフトチェンジは何度も見られたが、そのスピード感には、代替医療を推進する医師からも未病ケア商材を取り扱うメーカーからも疑問の声が少なくなかった。今回の安倍政権の号令により、この流れが一気に加速することに期待される。




健康産業新聞1513号(2014.1.8)より一部抜粋

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