2013年10月7日
国民の4~5人に1人が悩み “眠りビジネス”に脚光、各業界が注目

■自身の睡眠状態“見える化”が定着へ
睡眠不足は、加齢に伴う睡眠の質の低下、生活リズムの乱れ、職場や家庭環境などの変化によるストレス増加、運動不足などが主な原因。慢性的な睡眠不足は、うつ病や生活習慣病の危険因子となることがさまざまな研究により明らかになっている。また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)をはじめ、レム睡眠行動障害、概日リズム睡眠障害、ナルコレプシーなど、睡眠障害を抱える患者も増加傾向にある。平成23年国民健康栄養調査では、休養などに関する状況を報告。睡眠の質では、ここ1ヵ月間、眠れないことが「頻繁にある」と回答した割合は男性13.2%、女性13.6 %だった。これに「ときどきある」を合わせると、60歳以上の女性を除く男女各世代で40%以上におよぶ。良質な睡眠を確保することは社会全体の問題となっている。

こうした中、各業界が“眠りビジネス”に注目している。オムロンヘルスケアは、昨年から「オムロンねむり時間計」シリーズを市場へ投入。年間販売目標の120%を達成した。同社では「女性の利用者も予想以上に多い。睡眠時間を増やしたい(寝不足改善)というより、眠りの質を高めることで健康や美容に役立てているのでは」と分析する。タニタも睡眠計「スリープスキャン」シリーズを展開。医療機関、介護、運輸、ホテル業界などへの導入が進む。最近では、米国スマートオーディオメーカーJawbone(ジョーボーン)社が、専用アプリとの連携で健康的なライフスタイルをサポートするリストバンド『UP(アップ)』を上市した。食事・運動・睡眠状態をライフログとして一括管理できるのが大きな特長。家電量販店を中心に販売するなか、予想を上回る売れ行きで品薄状態が続いているという。ソフトバンクモバイルも、リストバンド型の『FitbitFlex(フィットビットフレックス)』を利用したスマートフォン向けサービスを先月より開始。30~40代をターゲット層に生活習慣を変える健康ツールとして広げていく。

業界団体も年2回の「睡眠の日」( 3 月18日と9 月3 日)を制定。今年も秋の「睡眠の日」に合わせて、全国8ヶ所で市民公開講座を実施した。(財)精神・神経科学振興財団・高橋理事長は「今年で活動3 年目に入る。睡眠の日を業界、消費者へと広げていきたい」と意気込む。




■快眠サポート商材
「目覚め感」「睡眠の質」がキーワード末端市場は、通販や薬系ルートが中心。「質の良い眠り」「目覚めの爽快感」「快眠美活」などをキーワードとした製品が多い。味の素はアミノ酸・グリシンを活用した健康基盤食品『グリナ』を通販で展開。今夏は、炎暑ということもあり前年対比売上高2 ケタ増で推移する。同社では既婚女性約3,500人を対象に睡眠に関する調査を実施。85%が睡眠に問題があると回答しており、「子育ての主婦などにも睡眠の重要性を情報発信していきたい」とする。このほか、各社からは「医薬品と違い、翌日の朝にだるさがなく、目覚め感が良い点が支持されている」「天然成分という点が安全・安心感につながっている」「各世代に異なるニーズがあり、まだまだ市場は将来性がある」などの声が聞かれた。サプリメント、飲料以外にも寝具、パジャマ、アロマ、入浴剤、リラックスCD、機器など、多数の快眠サポート商材が流通。ホテルでは集客アップを目的に快眠ルームを提供する動きもある。呼吸ケア用品、医療機器開発・製造などを手掛けるパシフィックメディコは、額に装着して使用する簡易睡眠検査機器『スリーププロファイラー』を開発。睡眠レベルを高精度に分析評価が可能で、法人向けにレンタルサービスを行う。「一定の間、サプリメントを飲んでもらい、同品を使用すれば、どのような効果などが得られたか評価でき、エビデンスレポートとして提供できる」としている。国民の4~5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えるといわれる現代。睡眠不足や睡眠障害による経済的損失は年間3 兆円に上るという試算もある。こうしたなか、快眠サポート市場が大きく動き始めている。





健康産業新聞1498号(2013.9.11)より一部抜粋

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