2013年10月7日
「消費者が自ら商品選択できる制度」健食表示解禁、日本型長寿社会への布石に(後)

(承前)



―― この国はこれまで護送船団で来たため、“企業責任”の理解があまり浸透していないように感じます。アメリカ型、企業責任、消費者も自己判断で選択する、というのは、日本ではとても新しい試みです。ここをもう少し説明していく必要があるのではないでしょうか。

まったく新しい制度をこれからドンっと出すという認識ではありません。既に健康食品はいたるところにあるわけです。要するに、「既に使われている」という実態の中で、「よりうまく使ってもらう」という発想に立たなければいけません。新しい制度に対する懸念は当然あり、それは議論の上で払拭しなければいけませんが、今の状況との比較で議論をし、より良い形にしていくというところに原点を持つべきだと思います。消費者が適切な情報を得る中でより賢い選択をできる条件を作る、それを主眼に、きちんとした市場ができれば副次的に参入が増え、取捨選択も行われていく、というところがテーマではないかと思います。



―― 米国の制度も施行10年でさまざまな課題が浮上し、その都度変化してきました。「世界一」の制度を目指すため、また世界にも分かりやすい制度を作るため、日本オリジナル制度としてはどういった点が必要になると考えられますか。

米国でも試行錯誤があります。そうした中で、例えば販売後30日以内にFDAに届け出るとか、表示はFDAの評価でない旨を表示するとか、疾病治療目的ではないといったルールを作っている。我が国の今回の制度も、企業に任せるということになれば中には十分な根拠がない、あるいはルールに反した表示する、そうしたところがどうしても出てくると思います。それをどう抑止しながら、うまく消費者の選択に資するようにしていくのか、それは米国もtry&errorでやっており、日本も同じなのではないでしょうか。米国とは文化や社会の違いがあります。ただいずれにしろ26年度の実施を目標としながら、有識者の議論、あるいはその過程にあたっては消費者等々の団体の方から話を聞きながら、しっかりとした制度設計をしていくということです。健康長寿社会は、やはりそれぞれの人たちの自主的、自発的な取り組みによって成し遂げられていくと思います。ならばそれができるような環境を、健康食品についても作っていく、あるいは促していく、そういうことだと思います。



―― 戦略市場創造プランでは、2020年に国内産業26兆円(現在16兆円)を目標としています。経済的な効果をどうお考えですか。

高齢化がさらに進む中で、保険料の増加、税負担の増加が懸念されていますが、「予防」によって医療や介護の費用の削減が図れるのではないでしょうか。例えば糖尿病や高血圧疾患、外科系の話ではロコモティブシンドローム、こういったものに対して、予防等の対処をすることができれば必要な医療費や介護費は当然減ります。そして逆に、元気なお年寄りが増えればレジャーやその他分野での市場の広がりも出てくる。これらを踏まえて考えると、経済的な効果はかなりのボリューム感があるのではないでしょうか。そしてそういう社会こそ私達が目指す社会だと思っています。



―― 疾病は医薬品というお話がありましたが、治療は医薬品、予防は食品といった、境界を明確にすることにも繋がりますね。

健康と医療の分野は隣り合っていて、微妙なところにあります。言い換えれば、どこまでが規制のテリトリーで、どこからがそうでないかという区分けが分かりづらい。市場を作っていくためには、これを外から見てわかるようにしておかなければいけません。そうでなければ企業としてもなかなか進出しづらいでしょう。今度の臨時国会に出す法案の中で、事前に区分を見通せるような仕組みを作っていきたいとも思っています。





健康産業新聞1498号(2013.9.11)より一部抜粋

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