2013年7月24日
【オメガ3セミナーレポート】脳や妊産婦、胎児など摂取の重要性を指摘

魚油や微細藻類に多く含まれるEPA・DHAなどオメガ3系脂肪酸の世界的な業界団体であるGOED(Global Organization for EPA and DHA Omega-3s)が6月20日、日本で初めてセミナーを開催した(後援:農林水産省、DHA・EPA協議会)。セミナーにはオメガ3系脂肪酸研究の第一人者で、1970年代に「魚を食べると頭がよくなる」とする研究成果を報告したインペリアル・カレッジ・ロンドン脳栄養科学研究所所長のマイケル・クロフォード博士や、小児科専門医でカリフォルニア大学医学部助教授のウィリアム・シアーズ博士らが、脳や妊産婦、胎児などに対するオメガ3系脂肪酸摂取の重要性について講演した。





■日本のオメガ3認知度、先進国で最低の58%
セミナーの冒頭、GOED代表のアダム・イズマイル氏が、日本での魚消費量が年々減少し、牛肉や豚肉など炎症を引き起こす脂肪酸を多く摂っていることに対して懸念を示し、「日本の消費者はオメガ3 系脂肪酸の健康効果を十分理解していない現状がある」と指摘。「オメガ3 系脂肪酸の科学的な情報や世界的なビジネスの現状を発信することで、消費者のオメガ3系脂肪酸に対する認知を高めていきたい」と抱負を述べた。

さらに同氏は、日本におけるオメガ3系脂肪酸を含有する製品の利用状況について説明。オメガ3 系脂肪酸の日本での認知度は58%と、米国の98%、ドイツ96%、英国95%、カナダ94%など他の先進国に比べて最も低いとする調査結果を公表した。またサプリメント、機能性食品、海産物を合わせて換算したオメガ3 系脂肪酸の利用率は、ロシア77%、ブラジル69%、ドイツ63%、中国61%、英国55%、米国51%などと比べ、日本は30%と低い利用率となっているとし、消費者への広報活動の重要性を訴えた。


オメガ3 系脂肪酸の非利用率は18~24歳の若年層で高く、若年層ほど睡眠・ストレスの問題を抱えているとする調査結果も紹介した。同氏は、オメガ3 系脂肪酸の新たな利用者として若年層をターゲットとする必要があるとし、「ネットや医師などの専門家を通じて、オメガ3 系脂肪酸の健康情報を発信すれば興味を示す」との見解を示した。このほか、海産物の摂取量が少ない低所得者世帯も新たなターゲットになると指摘した。




■オメガ3の有効性、論文2万件で実証
マイケル・クロフォード博士は「オメガ3 系脂肪酸の持続性と脳の健康」と題して講演し、「ヒトの生物的最優先事項は脳であり、DHAを摂ったからこそ脳が発達してヒトになり得た」と説明。ヒトの脳の必須脂肪酸組成ではDHAが圧倒的に多い現状や、神経突起の伸長をDHAが促進していることなどを挙げ、「脳の進化においてDHAが不可欠となっているのは、人類の進化が魚や海産物に依存したことを意味している。草食動物が大きな脳を持つことができなかった決め手はDHAにある」と断言した。その上で、中期更新世(16~18万年前)に古代人による海洋資源、海洋色素の使用が南アフリカで確認されていることに言及。「現代の人類の生物学的出現に近いタイミングが記録されており、海産物の食品利用およびそれを得られる沿岸地域に暮らしていたかどうかがヒトの起源の決め手。ヒトは6 万5,000年前にアフリカから沿岸地域に沿って拡散していった」とする考えを示した。

また同氏は、農作物の栽培が始まった約1 万年前から、ヒトの脳の容積は小さくなってきており、同時に脳疾患が増え始めたとするケンブリッジ大学の研究成果を紹介。「DHAはヒトの知性を今後維持するために欠かせない。ヒトは豊富な魚と海産物資源を源泉にして進化してきた。未来はその資源の維持にかかっている」とした。

ウィリアム・シアーズ博士は、オメガ3系脂肪酸の持つ健康効果と、妊産婦や年齢などライフステージに応じた摂取の必要性について触れ、オメガ3 系脂肪酸サプリの研究論文が約2 万件に上ることを紹介。脳機能向上、高血圧改善、糖尿病進行の抑制、関節炎改善、視力改善、心疾患予防、血流改善、肌改善などの研究成果を報告した。




健康産業新聞1489号(2013.7.3)より一部抜粋

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