2013年6月7日
農水省 「機能性農産物」活用で開発戦略 20億円予算、新プロジェクトが始動

農林水産省の検討会は4月24日、機能性を持つ農林水産物・食品の研究開発戦略案について合意した。この日の意見を踏まえて修正し、5月中に戦略を策定する。同時に外部から研究を公募する。研究対象は日常摂取する農林水産物およびその加工食品で、サプリ剤型の栄養補助食品は対象外。プロジェクト終了後のビジョンとして、新たな表示制度への発展の可能性に言及した。戦略について議論してきた「農林水産物と健康に関する研究開発検討会」座長の岩元睦夫氏(農林水産・食品産業技術振興協会参与)は、機能性研究は「宝の山」として、20億円の補正予算に基づく千載一遇のチャンスに期待感を示した。




■民間企業参加の必要性を指摘
農水省では20億円の12年度補正予算に基づき、「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」に着手。3 月に「農林水産物と健康に関する研究開発検討会」を立ち上げ、機能性研究の現状や課題などについて意見交換を行ってきた。この過程で研究課題提案会を開き、民間企業や大学などからヒアリングを実施。東大名誉教授・阿部啓子氏らが民間企業の参画の重要性を強調した。
同検討会は先月24日に開いた第3 回会合で、研究開発戦略案についておおむね合意。食品の機能性研究が進展する中、「医薬の壁」によって明らか食品の効果・安全性を評価する仕組みが構築されておらず、機能性農産物・加工品を提供することにはなっていないと問題視。新プロジェクトの推進に向けて、研究開発戦略を策定することとした。




■研究対象は日常摂取する食品
戦略では、科学的に機能性が確認された農林水産物・食品を活用したバランスの良い食生活を目指すことを研究目的とする。対象は「日常的に食品として摂取する生鮮農林水産物およびその加工食品」とし、医薬品や栄養補助食品は対象外。研究する機能性は「食生活による疾病の予防、健康の維持・増進等」とする。
「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」はこの戦略を基本として推進するが、期間が15年度までとなっているため、研究対象を①食経験があるもの、②すでに動物試験等でエビデンスがあるもの―― に重点化。検証する機能性は「生活習慣病予防」を中心に据えた。プロジェクト推進に当たり、「全国の産学の研究勢力を結集して推進することが重要」と指摘。研究は、農研機構が代表となる課題と、外部公募による課題ともに、民間企業等の参加のもとに実施する方針を示した。
5 月の戦略策定後、農研機構が代表となる研究課題を選定。外部へ公募する研究課題は、農研機構との調整を踏まえて6 月下旬~ 7 月上旬をめどに研究を始める予定だ。15年度のプロジェクト終了時点で、機能性農産物等を実際に消費者の手元に届けるモデルの構築を目標に位置付ける。
研究の中核となる農研機構では、3月に行われた同検討会の初会合で、研究課題候補として大麦のβ-グルカン、大豆、すいおう、乳酸菌、緑茶などを紹介している。生鮮品だけでは機能性成分の摂取量に限界があり、雑穀米、豆乳、青汁、ヨーグルト、健康茶など、加工食品がどの程度まで研究対象となるかが注目される。




■機能性研究で世界に
さらに、プロジェクト終了後の展望にも言及。「明らか食品を対象とした機能性評価のモデルが示されることから、本評価モデルを活用した表示制度への発展が期待される」とのビジョンを示した。農水省に対し、厚生労働省、消費者庁、食品安全委員会などとの連携・調整を進めて、「機能性を持つ農林水産物・加工品が真に国民の健康の維持・増進に貢献するよう、対応すべきである」と提言した。検討会では委員から、機能性研究は欧米に後れをとっているが、「いよいよこれで世界に打っていけるのではないか」と期待する声が聞かれた。岩元座長は取りまとめで、日本には蓄積された機能性研究があり、国費も投入されているが、「研究成果が経済活性化につながっていない」と指摘。「宝の山」の機能性研究を活用し、機能性農林水産物・食品を提供するシステムのモデルを構築することに「期待している」とまとめた。



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健康産業新聞1482号(2013.5.8)より一部抜粋

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