2019年4月4日
19年度・日本農芸化学会、研究成果が続々

 「日本農芸化学会2019年度大会」が3月24日から4日間、東京農業大学で開催された。会期中は18の大会シンポジウム、約1,600題の一般演題が実施された。初日の「食による脳機能改善を考える」をテーマにしたシンポジウムでは、満席で立ち見の聴講者も多数見られた。

 九州大学大学院の二宮利治教授は、福岡県久山町の住民対象に1961年から行われている約1万人の疫学調査をもとに講演。65歳以上の認知症患者の割合は1985年で6.7%だったのが、2012年には17.9%に増加していた。また糖尿病の人は、認知症患者の割合が高かったほか、握力検査から筋力が低い人は認知症発症のリスクが高かったという。

 同氏はまた、「歯の喪失率が高いことも危険因子の1つになる」と述べた。食事パターンを分析した結果から、「大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類のほか、牛乳・乳製品などの摂取が認知症発症のリスクを抑える可能性が考えられる」とした。同氏は、認知症患者は2025年に約700万人、2050年には1,000万人に達すると推計。認知症の予防は、「“食事・運動・筋力量保持”が重要」と強調した。

 京都大学農学研究科食品生物学専攻の入江一浩氏は、マリアアザミに含まれるシリマリンに抗アルツハイマー病活性を示す作用があることを報告。「認知症は発症してから治すのは極めて困難。早期発見・予防が大事になる」と話した。キリンR&D本部健康技術研究所の阿野秦久氏は、ポップ由来のビール苦味成分であるイソα酸や乳由来成分に認知機能の改善効果が期待できることを紹介。「両素材とも食歴も十分な成分なので、ヒトにおける実証試験も行っていきたい」と述べた。

 一般演題は1,675題に上った。健食関連素材も多く、乳酸菌、ビフィズス菌、食物繊維、プロテイン、希少糖、コラーゲン、セラミド、CoQ10、大麦若葉、フコイダン、スピルリナ、冬虫夏草、高麗人参、プロポリス、クルクミン、ローヤルゼリー、オリーブ抽出物、ブドウ種子抽出物、ノコギリヤシ、モリンガ、ジャバラ、植物発酵エキス――など、馴染みのある定番素材から注目成分まで、多岐にわたる機能性素材を取り上げた演題が並んだ。特に乳酸菌関連の研究成果が目立った。

 サントリーウエルネス健康科学研究所は、乳酸菌「S-PT84」の継続摂取により、軽度肥満者の体脂肪低減効果があることを確認したほか、生体内の炎症を抑える可能性が示唆されたことを報告した。宇都宮大学農学部・研究班らは、鮒ずし由来乳酸菌の免疫賦活作用や感染症予防効果についての研究成果を発表した。つづく




詳しくは健康産業新聞第1665号(2019.4.3)で
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