2019年1月16日
【プレバイオティクス】「食物繊維」世界的なブームに

 プレバイオティクスは、腸内有用菌の増殖を促進する物質を意味し、腸内フローラの中で宿主に有益な作用をもたらす有用菌にのみ選択的に利用される難消化性物質と定義される。イギリスの食品生物学者ギブソンらによって1994年に提唱された。簡単にいえば「腸内の善玉菌が好んで食べる餌を摂取して腸内環境を良くする」食品成分だ。

 しかし現在、世界的に食物繊維の摂取量が不足していると指摘されており、プレバイオティクスの重要性が改めて認識されている。国内でも現代人の食生活の変化によって脂質の摂取量増加、食物繊維の摂取量減少が進み、腸内フローラが乱れつつある。

 大腸疾患に詳しい松生クリニック院長の松生恒夫氏は、「食生活の大きな変化や、体内リズムの乱れ、ストレス、運動不足によって、腸内環境が悪化する」と指摘する。悪化が続くと、「大腸では腸内に老廃物がたまり、腸内細菌のバランスが崩れて免疫低下を起こし、小腸では腸管免疫の主役となるパイエル板のリンパ球のはたらきが弱まり免疫力の低下を引き起こす」という。さらに、「大腸がんをはじめとしたがん疾患のほか、感染症、花粉症や食物アレルギーなど免疫異常に係わる疾患リスクも高まる」という。

 国立がんセンターがん対策情報センターが発表した「がんの部位別死亡率の推移」によると、女性では2000年頃から「胃がん」を抜き「大腸がん」がトップに。以降2017年まで死亡率1位の座に就いている。一方男性では、トップに「肺がん」、次いで「胃がん」、「大腸がん」は3位ながら、2008年頃よりその数は急増しており、2位の「胃がん」に肉薄している。目下、大腸がん対策が急務となっている。

 機能性表示食品では、難消化性デキストリンや大麦β-グルカン、グアーガム分解物、サイリウム種皮由来食物繊維、イヌリンなどが受理され、対応素材もバリエーションが豊かになってきた。特徴的なのは一般食品への採用が多いという点だ。このほか、糖質・糖類の届出が可能になり、オリゴ糖を関与成分とした届出を行っている企業もあり、受理が待たれる。

 昨年11月にドイツ・フランクフルトで開催された機能性食品素材展示会「Hi Europe2018」では、会場の至るところで「Fiber(食物繊維)」の文字が踊った。整腸、ダイエット、ナチュラル原料などのキーワードと共に会場に数多くの素材が展示され、来場者の関心を誘った。

 マーケティング調査会社のMintel社によると、米国FDAが昨年、Dietary Fiberの定義とガイダンスを示したことにより、「エビデンスに基づいた本物のFiber」であることをPRする企業が増えているという。FDAが制定した食物繊維は、「植物細胞壁繊維混合物(サトウキビ繊維、リンゴ繊維等を含む広範な区分)」「アラビノキシラン」「アルギン酸塩」「イヌリンおよびイヌリン型フルクタン」「高アミロースデンプン(難消化性デンプン2 )」「ガラクトトオリゴ糖」「ポリデキストロースおよび難消化性マルトデキストリン/デキストリン」の8種。栄養成分(Nutrition Fact)および、サプリメント成分(Supplement Fact)表示で食物繊維の含有量を正確に明記することができるようになった。

 食物繊維はいまや世界的にニーズの高い食品素材となっており、積極的な摂取機運は今後も加速していきそうだ。つづく



詳しくは健康産業新聞第1659号(2019.1.2)で
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